雨恋~雨のちキミ~
「そんなん、あたしかってビックリしたわ」


今朝、LINEで『おはよう』ってメッセージが届いて

嬉しくて、すぐに『おはようございます』って返したのに

既読がついただけで、未だに連絡なし


「………先輩、どういうつもりやろ…」


モヤモヤが消えないまま、予鈴が鳴った



※※※



「柚羽、あたしお昼買ってくる」


「え、買ってないん?」


「うん」


昨日から色々あり過ぎて

お昼ご飯を買い損ねていたあたし


昼休みのチャイムが鳴ると同時に、お昼ご飯を目当てに皆が食堂に押し寄せるのは、もう恒例のこと


「一緒に行こか?そしたら、何か注文出来るやろ」


うちの高校は食券制度がない

だから、直接食堂のおばちゃんに自分の食べたいものを注文することになっている

パンやおにぎり、焼きそばやフライドポテト等は、注文したものの付属として飛ぶように売れるため出遅れた今となっては、たどり着いたところでほとんど残っていないだろう


「うーん…」


カレーライス、ラーメン、チャーハン、うどんにそば、日替わり定食、どんぶり


………サンドイッチだけでえーのにな…


それでも、食堂のあの匂いを思い出すとお腹が減ってくるから不思議だ


「食堂で食べる」


唇を尖らせながら答えると、嬉しそうにお弁当を抱える柚羽と食堂を目指した
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