聖夜の鐘
「……レイラ…寒いかもしれないけど、今夜は外で過ごさない?
せっかくのクリスマスイヴだもの…」

エディの言葉に、レイラは一瞬戸惑ったような表情を浮かべたかと思うと、すぐにおかしそうに微笑んだ。



「どうしてクリスマスイヴだと外なの?変なこと言うのね。
でも……私もその方が良いわ。
今日は町は人でいっぱいでしょうからね。
騒がしい所より、静かな所で過ごしたいと思ってたの。
……エディ……実は、私…あの鐘を鳴らしに行きたいの。」

「あの鐘……」

エディの視線は、遠い昔の何かを思い出すように宙をさ迷う。




「忘れちゃったの?」

「……馬鹿だな。
忘れるわけないだろ。」

不安そうな顔を向けたレイラに、エディは優しく微笑んだ。



「良かった!!……私、今日、あなたと出会えたら、どうしてもあの鐘を鳴らしたかったの。」

レイラの顔に輝くような笑顔が宿る。



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