聖夜の鐘






「レイラ、僕、待ってるからね。」

「……そんなこと言って…
あなたは、その頃にはあなたは私のことなんて忘れてるに決まってるわ。
絶対そうよ!」

「……そりゃあ、十年も先のことなんて誰にもわからない。
大人達が言うように、お互い他の人を好きになってるかもしれない。
でも……僕はきっと行くと思うよ。
それに、君だってきっと来てくれる…僕はそう信じてる。」



その時、発車を知らせるベルの音がホームにけたたましく響き渡った。



「待ってるよ、レイラ!
絶対に…!」

「エディ…!」

列車の窓から身を乗り出すようにして、大きく手を振るエディは晴れ晴れしい顔をしていた。



(エディの馬鹿…
あなたは寂しくないの?辛くないの?
遠く離れ離れになるっていうのに、どうしてそんな平気な顔してられるの…!?)

悔しさと悲しさで、レイラの瞳からは熱い涙がこぼれ落ちた。
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