君に捧げる花束を





そう言いおいて、西川君はちらりとこちらを見遣る。


西川君、私が函南君の事を好きだって言ったから、なるべく他の男の子から遠ざけようとしてくれてるんだ。


でも、鈴村君は友達なんだよ、そういう言おうとすると、


「なんで。」


と、鈴村君は返しながらそこでやっと、西川君に視線を向けた。



「なんでって…」




鈴村君の真っ直ぐな視線に圧されたのか、西川君はクソ真面目な顔で口をもごもごさせた。

その直後、鈴村君は表情ひとつ変えず、さらりと爆弾を落とした。



「俺は、芦屋さんが好きなの。」







あ、そうなんだ。







えええええっ!!!!






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