2・5次元の彼女
引っ越しを終えたばかりのHARUの部屋は、まだいくつかダンボールが積みあがっていたものの、それなりに綺麗に整理されていた。
20畳くらいありそうな大きなリビングに、大きなソファと大きなテーブル、大きなダイニングキッチン。
都心で仮住まいというには、豪華すぎる気がした。

「うわぁ、このソファすごい!」
イリーナがソファの上でふわふわと遊んでいる。

「……ひょっとしてHARUってお金持ち?」
私が恐る恐る聞くと
「いや、家具はほとんど貰いもの」
そう言ってHARUは謙遜した。

家具だけじゃなくて、この家の家賃も相当凄そうだ。
これを維持するには、かなりの収入がないと無理なのではないだろうか。

格好いいだけじゃなくて、高収入かぁ。
なんだか、自分とHARUとの距離が一層開いた気がする。

私は落ち着きなくきょろきょろと辺りを見回した。

奥の寝室に足を踏み入れると、大きなベッドとパソコンデスクがあった。
その横には、高価そうな一眼レフカメラと写真立てがいくつか飾られている。

「ユウ」
後ろから声をかけられて振り向くと、ジャケットを脱ぐHARUの姿。

「俺、着替えてからそっち行くから、先にイリーナと飲んでてよ」
そういってシャツのボタンに手をかける。

脱ぐからあっちに行っていて。
言葉の奥の意味に気づいた私は、慌ててHARUに背を向ける。

「あっ、ご、ごめん!」
慌てて部屋を出て、ドアを閉めた。

「……別に見られてもいいけどね」
閉めた扉の奥からHARUの笑い声が聞こえる。

よくないよ!
そんなことしたら、私が悶え死んじゃう!
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