2・5次元の彼女
ユウとふたりで会うために、わざわざ嘘の口実までこじつけた。

――僕はいったい何をやっているんだ。
こんなことしたって
ユウさんの気持ちを繋ぎとめられるわけじゃないのに――


ユウの仕事が終わるのを待って、近くのイタリアンのお店へ入った。
今日はお酒ではなく、お食事だ。和やかな会話が続く。
ユウは満足そうにパスタを平らげたあと、食後のカフェラテに口をつけながら、景斗に問いかけた。

「そういえば、相談って何?」

どうしよう。
なんかもうあとに引けない。

とりあえず、何か相談ごとを考えなくては……

景斗は罪悪感に苛まれながら、コーヒーをひと飲みする。

「――えっと、実は、好きな人がいまして」

「ええっ!?」
ユウは身を乗り出した。
「イリーナのトラウマから脱却したの!?」

「ああ、そういうことに、なるのかなー……」
ある意味、そのトラウマのせいでこうなっているのかもしれない。

「よかった! おめでとう景斗!」
心の底から喜んでくれたユウに、余計に胸が痛む。
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