暫定彼氏〜本気にさせないで〜
このまま出掛けようと言う暫定彼氏であるーーー


陽日(はるひ)の誘いを丁重にお断りし、そして何がどうしても家に送ると言って聞かない奴のみぞおちに一発食らわせ逃げるように自宅に帰ってきた。


兎に角、熱い湯に浸かりたくてお風呂場に行き、ふと洗面所の鏡に映る我が身に愕然。


そこには妖怪シワシワンとでも言いたくなるような私が映っていた。


化粧もロクに落とさず寝たしね。


それに飲み過ぎて肌もガサガサ。


はぁ……


そもそも何で私なの?


妖怪シワシワンだよ?


私なんてどちらかと言えば地味な顔してるし、会社でも目立つなんて事ない。


それに顔くらいは合わせてたとしても、陽日との接点が全く思い浮かばないんだけど……。


やっぱりあれかな。


ああいう容姿に恵まれた人は常に周りに美人さんが多いから、たまぁにこういうあっさりなのに興味を持っちゃうのかな。


ほら、いくら美味しいお肉でも毎日だと飽きるじゃん。


お茶漬けでいいやって日もあるじゃない?


マジマジと鏡に映る私の顔を見てるとーーー


確かにマスカラは滲んで目の下黒くなってるし
ファンデはハゲハゲだし……


こりゃ、お茶漬けだわ。


その後、私は湯船にゆっくりと浸かりながら後で「蓼食う虫も好きずき」の意味を調べようと考えていた。











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