嫌いになりたい
仕事中と思(おぼ)しき彼の姿はとてもキラキラしていて

仕事帰りらしいOL風の女の人が章吾の腕に両腕を絡ませ

何やら楽しそうに話しかけている


「宇佐美?」


永野くんの言葉に、フッと我に返った


「どうした?」


章吾はホスト

女の人と一緒に居ることぐらい当たり前

なのに………


「………何でも、ない」


章吾はチラッとこっちを見ただけで

何事もなかったかのように、彼女の腰に手を回して

そのままあたし達の横を通り過ぎて行った


「ゴメン…。離して………」


胸が張り裂けそう


他の女の人に優しくしないで

あたし以外に触らないで

ずっと………あたしだけ見てて


叶わないと分かっていても、それでも自分の方だけ見ていてほしい


「永野くん…ゴメンね」


涙が溢れそうになるのを堪えながら

離された手をギュッと握り締め、彼の顔を見ないままその場を離れた
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