ナナ色Heart
「どうした?」

急に黙りこくったあたしを変に思ったらしく、山内君は心配そうにあたしの瞳を覗き込んだ。

……山内君は、カッコいい。

男らしくて、爽やかで。

彼女がいなかった方がおかしいくらい。

あたしは慌てて首を振った。

「こら」

「えっ」

「なんか思ってんのなら、ハッキリ言えよな」

綺麗な瞳に苛立ちが生まれて、山内君は男らしい唇を引き結んだ。

真っ直ぐにあたしを見ている。

あたしは、伏し目がちで答えた。
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