ナナ色Heart
授業が終わる頃、もう既に雨は降り始めていて、あたしはしばらく教室の窓から外を眺めていた。

ムシムシした暑さと雨はまさに梅雨といった感じ。

どうしよっかな。

傘、ないや。

いいや、濡れて帰ろ。

もう少し、小降りになったら。

1時間ほど教室で過ごした後、あたしは学校を出た。

買い出しにいく気はなかった。

だって、食欲なんかないもん。

食べたくない。

……山内君と買い出しに行って、料理をして一緒に食べて……楽しかったな……。

思い出すと涙が溢れた。
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