ナナ色Heart
「あ……いえ……」

すると彼はやや驚いたように、

「じゃあ、道場破り!?」

道場破り!!!

「ち、違います!破れません!」

彼は一瞬眼を見開き、それから白い歯を見せて笑った。

「破れません!は、よかったよ、キミ!」

あたしは自分の発言がさほど面白いとは思わなかったから、ガハハハ!と笑われた事に驚いて、まじまじと彼を見つめた。

彼はひと通り笑った後、

「見学希望者でも道場破りでもないとすると……知り合いでもいるの?」

あたしはコクンと頷いた。

「もしかして……蓮、かな?呼ぼうか?」
< 233 / 339 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop