ナナ色Heart
「ナナ、あたしちょっと用があるから、お昼、先に食べといて!」

休み明けの学校。

昼休みを知らせるチャイムが鳴って、あたしが真央の席へ行くと、真央はそう言って立ち上がった。

「え、珍しいじゃん、何の用事?」

何の気なしにあたしが尋ねると、真央は溜め息をついた。

「ちょっと、美術の木本先生に呼ばれちゃってさ。コンクールの話だよ、多分」

「ふーん、そっか。じゃあ、先に食べてるね」

真央はちょっと手を上げて足早に教室から出ていったから、あたしは自分の席でお弁当を広げた。

それから暫くして、お弁当を食べ終わり、机の上を綺麗に片づけた時、真央が帰ってきたの。

真央は真っ直ぐあたしをみていたから、あたしはちょっと笑った。
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