ナナ色Heart
「お帰り」

「うん……」

なんとなく元気がないし、眼が赤いような……。

あたしは心配になって真央の顔を覗き込んだ。

「なに、なんかあった?」

あたしがそう言うと、真央はちょっと笑って、唇を尖らせた。

「今回の課題、出来が悪いって、叱られちゃった」

「えー、確か真央の作品は油絵だったよね。珍しいじゃん!油絵は、真央の得意分野なのに」

「で、今日は居残り確定。悪いけど、先に帰って。手直しするわ」

「残念!分かった」

今日は真央とウインドーショッピングの約束だったんだけど、仕方ない。
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