ナナ色Heart
「随分とムシムシしてるよね」

あたしがそう言うと、隼人は大きく笑った。

「なんだよ、俺相手に天気の話題かよ」

「ははは!ほんとだ、なんかおもしろー。
あ、肩の具合はどう?」

すると隼人は投球フォームをあたしに見せて笑った。

「ん、もう平気」

「良かったね!もうすぐ、予選が始まるね」

「ナナ」

「ん?」

隼人は近所の緑地公園まで来ると、あたしの腕を取ってベンチに促した。

それから静かな声で言った。

「あいつと……どうなった?」

あいつ、が、山内君なのはすぐにわかった。
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