ナナ色Heart
本当は、ずっと前からそう呼びたかった。

でもあたしは、そんな事ですら、アクションできなかった。

……前みたいに、彼と付き合いたい。

頑張んなきゃ、ダメだよね。

『ほら、お前は、誰の顔が浮かんだ?
……お前の、ここは』

あたしにそう言って、拳で胸をトントンと叩いた隼人。

そうだよね、隼人。

出さなきゃダメだよね、勇気!

あたしは、自分の胸に手を置いた。

あたしの、心は。

あたしのハートの中にいるのは……。

あたしは大きく息を吸い込んだ。
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