オフィスの華には毒がある
ご飯を頼む際、麺類は極力避けろだの、彩りの綺麗な料理がいいだの、その内容は多岐に渡り、結局メイクはいつもより気持ち派手にしろだの下着のセットは基本白だ、だの……もうよく覚えていないけど。


とりあえず、いいからとにかく行ってみろ、っていうことは分かった。

一度くらい、きちんと向き合ったら何か変わるのかもしれない。そんな淡い期待を抱く。


そして。


そんな昨日の会話を思い出しながら、まんまと待ち合わせた駅前の広場ですでに待っているっていう、″ダサい年上代表選手″みたいなわたし。
結香からは、少し遅れて行けって言われたのに。

なんだか、張りきってるみたいじゃない?!

違うの違うの、時間に正確なの。5分遅刻ーとかが許せないの。

そういえば、昔、いっつも打合せギリギリに来る業者さんを『あり得ないですよね!』と珍しく主任と意気投合して文句を言いまくったのを思い出す。
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