藤くんが今日も冷たい件について(仮)【完】
私はこういうデリカシーのない男が一番嫌いだ。


そして影山修二は「盗撮とか犯罪だな」などと悪態をつきながら、私の右隣に胡坐をかく形で座り込んだ。


なぜ、そこに?



私は無言で影山修二との間に一人分くらいのスペースを空けるべくして左に寄った。


が、ヤツはそれを見てまた左側に寄ってくる。



「……何でしょうか?」



私はまた左側に寄った。


何このイタチごっこ。



「いや、こっちが聞きたいんだけど、何?意識してんの?」


「いや、全くもってしてない」


「この空間?不自然じゃね?」



いやいや、隣にいる方が不自然だろ!

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