藤くんが今日も冷たい件について(仮)【完】
しかし。


私が歩き出すと藤くんが腕を掴んできた。



「…………え?」


「………送る。もう暗いし」



気がつけばあたりはもう日は落ち、街は紫色に包まれていた。

そして、私は藤くんが触れている左腕に意識が集中してしまい、顔がカアッと赤くなる。

目線を合わせるのが恥ずかしくて下を向いたまま返事をした。



「あ、ありがとうございます」



私の照れくささを感じとったのか藤くんは掴んでいた腕を離した。



「なんだよ。その敬語」


「……だって、久しぶりに口聞いたから」



それから藤くんは歩き出した。


私はその隣に追いつくように歩き出した。



「あ、うち分かる?」


「2回行ったことあるから分かる」



2回……というのは


1回目は遠足の時、私が足を捻ったのに気づいて送ってくれた時


2回目はお見舞いに来てくれた時


のことだろう。

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