藤くんが今日も冷たい件について(仮)【完】
「……ま、いいよ」


「え?」


「そんなに頬をつねって欲しかったら、俺がやってやるよ」



藤くんはいつぞやかの面白いおもちゃを見つけ、悪巧みを考えているようなそんな表情をしていた。


な、なに、この迫力。


こわっっ



「や、やっぱ、いいや」



私は藤くんに背を向け、歩き出そうとした。

が、それは藤くんが私の腕を掴み、容易く拒まれる。



「待てよ。やってやるってば」



藤くんが笑っている…


けど


ーーー完全に目の奥笑ってない。





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