鈍感で馬鹿な君だから




「わたし教えるの苦手なんだけど……
ていうか、もっと頭いい人に聞けばよかったじゃん」


何回見ても真っ白なノートを見ながら、わたしはそう言ってははっと笑った。


「しょうがねえじゃん。
あんときお前しかいなかったんだし。
なーんかみんな帰っちゃったし。」


でも、下を向いていたそんなわたしの笑い声も、そんな正臣くんの言葉でぴたっと止まった。


…しょうがない、ねえ………。


あれか、わたしは誰かの代わりか……


なんだ、ばかみたい。


心の中でそう思ってふふっと笑うと、頭どうかしたの?お前?、と正臣くんに笑われた。



< 6 / 14 >

この作品をシェア

pagetop