闇に染まった真実。




信用してないって、何?



目にじわりと涙が浮かんできて。



「そんなわけないじゃない!皆の事が大切だから言ってんの!」



「だからそれが思い上がりだって言ってんだよ!」



「…っ!もういいっ…」



涙を零さないように上を向いだけど。それでも止まらなくって。
耐えられなくて、幹部室を出た。


「おいっ!栞!」


勢いよく階段を鳴らしながら走って。


「え?栞ちゃん?どうしたの!」


隼人と葵の声が聞こえるけど、今はもう、無理だ。




走って外に出る。



外は土砂降りの雨で。
おかしいな。今日は降らないって天気予報も言っていたのに。



また、逃げちゃったんだ、私は。






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