タンポポの約束。




「はい、じゃあ今回テストどれくらいできてそう?今のところ」











私とミナくん先生は図書室の椅子に座り
隣同士で勉強しています





ど、どうしよう〜…ドキドキする…











「えっと…途中で回収されちゃって全部半分も回答できてません…
こんなにとろい自分が嫌になります…」











本当にとろいんだ…


こんなの絶対に赤点だよ…





でもやっぱりミナくん先生は
私のとろさに驚でも呆れるでもなく、優しく微笑んでくれる











「とろいって言うとマイナスだけど
何事も慎重にしてるって言えばプラスだろ?」





「え…?」





「急がなくちゃって思うから余計焦っちゃうんだよ
だからしっかり思い出しながら自信持って解けば大丈夫」











なんだろう…


すごくフワーってした気分になる…




ミナくん先生に言われただけなのに
こんなにも自信が湧いてくるのはなんでかな?











「で、でも…治したくて
動きが早くなる本とかないかなーって探しに来たんですよね…」











いくら先生に言われても
呆れていないとは限らない



だから治したいんだ





呆れられないためにも…






すると、先生は予想していたよりもずっとずっと
優しい顔で私を見つめてきた






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