印堂 丈一郎の不可解な生活
雪城の鍼が、咢の手裏剣が、次々にサーへと襲いかかる。

「賢しい」

足の甲に刺さった手裏剣を強引に引き抜いて、回避行動に移るサー。

二人の投擲武器は、まるで誘導ミサイルみたいにサーの動きを追尾してくる。

どんなにサーが複雑な動きを駆使して回避しても、何度も軌道修正して追いかけてきた。

全ては以前咢がやって見せたような、プラスとマイナスの調息のなせる業。

二人は得物を自由自在にコントロールする。

「撃ち落とすしかないという事か」

サーは二挺拳銃を構え、回避行動をとりつつ追尾してくる鍼と手裏剣を次々に撃ち落としていった。

サーの射撃は正確無比。

狙いを外す事なく、確実に撃墜していく。

それでも。

「射撃に意識を向け過ぎたな」

その隙を突いて、雪城が鍼を、咢が刀を構えてサーの背後を取る!

「仕留めさせてもらうぞ黒十字 邪悪!」

< 138 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop