印堂 丈一郎の不可解な生活
二人の得物がサーの背中を捉えた。

咄嗟に振り向くサー。

だけど反撃には遅すぎる。

仕留めたと思った瞬間だった。

「サルガタナス、ネヴィロス」

サーは叫ぶ!

「塵も芥も悉く、我が敵を根絶やしにせよ!」

その詠唱のような咆哮と共に、白銀の拳銃が、黒鉄の拳銃が、人の形を成していく。

禍々しい光。

その閃光と共に、二挺拳銃はその名の通りの悪魔、サルガタナスとネヴィロスへと変化する。

サーの愛銃は、配下であり懐刀の悪魔そのものだったのだ。

虚を突かれた咢と雪城を、いともあっさり叩き伏せるサルガタナスとネヴィロス。

2対1だった状況が、瞬く間に3対2に逆転してしまう。

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