印堂 丈一郎の不可解な生活
「丈一郎!」

咢と雪城も、ようやく追いついてくる。

だけど既に私はサーの手の中だ。

「印堂 丈一郎」

建物の屋上から、サーは告げる。

「既に使われず、廃墟となったテーマパークがある。俺はそこにある古城で貴様を待つとしよう。セシルが欲しいのならば取り返しに来い。怒りに赤くなり、更に力を増して俺を殺しに来い。それが俺の思い付いた戯れだ」

「邪悪うぅぅぅううぅうぅぅっ…!」

目に見えて怒りを露わにする丈一郎。

あんなに怒っている丈一郎を、私は初めて見た。

それが、攫われた私の為だなんて…。

何だろう…胸が締め付けられる…。

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