印堂 丈一郎の不可解な生活
お爺ちゃんには自分の言っている事が理解できないと思っていた丈一郎。

だけど、寧ろ理解できないのは丈一郎の方だった。

「ち、ちょうそく?てれずま?」

「…あまり俗人に説明する話じゃないがね」

お爺ちゃんは歩きながら話した。

お爺ちゃんは、『調息法』が使える。

数千年前にチベットを発祥として東洋の仙道に伝わった秘術の一つ。

独特の『呼吸法』により血液中のエネルギーを練り上げ、肉体の末端部に蓄積して叩き付ける。

仙人は霞を食べて生きているという説の由来となった技術。

治癒に使ったり、普通の攻撃では倒せない化け物や人外を浄化させる事ができる。

その効果は『天使の力(テレズマ)』と同等とされており、太古より退魔、祓魔の術として東洋では秘伝とされてきた。

非科学的な技術のようだけど、魔術や魔法とは違う、れっきとした技法の一つだ。

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