印堂 丈一郎の不可解な生活
「あ、あんた何モンなんだよ、爺さん」

「調息を使える以外は、只の年寄りだよ。この通りの突き当たりにある骨董品屋を営んでいる」

真っ直ぐに前を向いたまま、お爺ちゃんは訥々と語った。

まるで世間話をするみたいに。

「只の年寄りが、何でそんな技術を…」

「この世には、お前さんが襲われたような化け物がまだ存在する」

丈一郎の質問に、お爺ちゃんは答えた。

「世間の人達が知らぬだけで、ゾンビやグール、吸血鬼は存在するのだよ。遠い昔の御伽話だけの存在だけじゃない。今尚生き残り、人間を襲う人外はひっそりと生きている」

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