印堂 丈一郎の不可解な生活
「……」

無言のまま、お爺ちゃんは丈一郎を見る。

「悪戯に話してしまったのがよくなかったかな?」

「なぁ教えてくれよ爺さん!何でもするからよ!」

「…調息法の修練は生易しいものではない。過酷な修行を課せられる。それに習得した以上、化け物どもにかかわる生涯を送らねばならぬ」

「厳しい修行にも耐えるぜ!」

「……言うは容易いがな…」

取り敢えず。

お爺ちゃんは丈一郎を手近にあった木組みの椅子に座らせる。

「貴遊、救急箱だ。彼の手当てをする」

「はいっ」

お爺ちゃんに言われ、私は救急箱を取りに向かった。

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