印堂 丈一郎の不可解な生活
私が戻ってくると、お爺ちゃんはいなかった。

きっと部屋に、傷薬とか取りに行ったんだろう。

調息法に伝わる傷薬は、市販の薬よりもずっと効くから。

それを待っている間に、私は丈一郎の傷口の消毒をする。

消毒薬を取り出していると。

「……」

丈一郎は、私をじっと見ていた。

「何?」

「セーラー服にセミロングに白いニーソ…おまけにオッパイもでけぇなぁ…そのオッパイも調息法のお陰か?」

「……」

感じ悪い奴っ。

金髪に両耳のピアスに…見た目通りの軽薄な男ねっ。

< 28 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop