立花課長は今日も不機嫌
怒ったかな……?
持っていた書類をギュッと握り締める。
「返信しないで悪かったな」
……え?
小さくボソッと呟いた一言に反応できずにいると、立花さんはスッと足を進めた。
「あ、あのっ、」
思わず呼び止めたけれど
「鳥塚専務、少しお時間よろしいでしょうか」
立花さんは、十字に交差する通路を行き過ぎた専務の元へ行ってしまった。
らしくない立花さんの一言に、遅ればせながら鼓動が反応する。
鳥塚専務と近くのミーティングルームに入っていく立花さんの背中をボーっと見つめた。