立花課長は今日も不機嫌
「足しにするといい」
封筒をグイと私の方へ近づける。
「ちょ、ちょっと待ってください。そういうわけにはいかないです」
封筒に触ることすら恐れ多くて、胸の前で両手を大きく横に振る。
立花さんにお金を工面させるなんて、そんなこととんでもない。
親の借金なんて大嘘なのだから。
「佐伯が思うような金額じゃないから心配するな」
「そうじゃなくて、」
「なんだ」
「立花さんにそんなことをしていただくわけにはいかないです」
「あげると言ってるわけじゃない。貸すだけだ。すぐに取り立てるような真似はしないから安心しろ」
いや、そうじゃなくて!
どうしよう!