立花課長は今日も不機嫌
「えっ……」
難しい質問を投げかけられて、正直困ってしまった。
こんな状況で、どっちとも選べない。
二人にはそれぞれお世話になっているわけであって。
私が認定するなんてことは、重責すぎる。
困り果てて二人の顔を交互に見ていると
「ぷっ。冗談よ、冗談」
良樹さんが笑い飛ばした。
「……え?」
思わずポカンと口を開ける。
「そんなこと、杏奈ちゃんに聞くまでもないわ。私に決まってるもの」
「ちょっと、良樹ったら何言ってるのよ。見た目が男の良樹にそんなこと言われたくないわ」
「何言ってるのよ。お化粧したら、霧子なんか足元にも及ばない美しさなんだから。それに、心は純真無垢の乙女よ?」