立花課長は今日も不機嫌

――私ってば、何期待してるんだろう。

立花さんの目も見られずにいると


「全てが片付いたら」


立花さんが囁くように続ける。


……片付いたら?


「そのときは……」


何かを含ませたような立花さんの言い方。

ゆっくりと顔を上げると、立花さんの熱視線に迎え撃たれた。


――!!


再び、独りよがりの妄想が膨らむ。


「シャ、シャワーお借りしますっ」


耐えきれなくなって、慌ててバッグを抱えると、立花さんの横をすり抜けた。

< 369 / 412 >

この作品をシェア

pagetop