立花課長は今日も不機嫌

腰を下ろし、立花さんに料理を取り分ける。


「……兄貴のやつ、俺が買っておいたやつも使ったんだな」

「え? 立花さん、料理するんですか?」

「今夜は、佐伯に手料理でも食べてもらおうと思ってたんだ」


意外な暴露に驚くばかり。
立花さんが手料理だとは。

しかも、それを私に御馳走してくれようとしていたなんて。


「残念。食べたかったな」

「機会はこれからいくらだってあるだろ」


二人が一緒にいる未来。
それが約束されたような言葉でくすぐったい。


――そうだ。
ふと思いついたことがあって、バッグの中を漁る。

< 409 / 412 >

この作品をシェア

pagetop