女神の微笑み
審判
一ヶ月の月日が流れたその日、アヤ、ユミ、さくらの三人は、留置場、鑑別所を経て、それぞれが審判の日を迎えた。
このまま手錠から解放され、帰宅がゆるされるか、あるいは少年院に送られるのか、今日それが決まる。
アヤも、ユミもさくらも、この日が逮捕後初めての、親との再会だった。
留置場や鑑別所に面会に訪れた親はいない。
「あんた…バカじゃない?」
それが母との再会後、アヤが聞いた母の第一声だった。
アヤはそれには答えず、うつむき、つぶやくように言った。
「ごめん」
学校がどうなったとか、今後どうなるとか、そんなことは頭になかった。
アヤの口から自然とでた言葉が、その一言だった。
それにアヤ自身、学校が退学になっていることぐらい、わかる。
アヤの胸の内にあるこの感情の中で、母に言ったこの一言は、<悪いことをしたら謝る>と決められているからというものではなかった。例えば、怒られたからその場の許しをえるために謝るとか、そんな子供じみたものでもなく、ただ、本当に、申し訳なかった。
ゆるす、ゆるされないを考えるより先に、<ごめん>と言った初めての自分に、とまどいさえ覚えないアヤは、不思議だった。
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