Someday ~私がいた夏~

16yrd Summer

 中学を卒業して、私は地元から遠く離れた高校へ入学することになった。

自分が描いてきた幼い頃からの夢を実現させる為、自ら望んだ高校だった・・・はず。

 受験するときからわかっていたことだった・・・。合格すれば、この町を離れて暮らさなければならないこと。大切な友達とも別れ、1人で頑張っていかなきゃいけないって。

 私の中では、そんな先のことより、目の前にある受験を乗り越えなければという思いがあって、一心不乱に勉強した。

 きっと、私の人生の中で一番勉強した日々かもしれない。


 受験→合格→卒業 とあわただしく過ごした日々は終わり、

 私は、親元を離れてある女子高の寮に入った。



 見ず知らずの寮生、クラスメイト。私のことを知る人は誰もいない。

 心細かった。

 自分で選んだ道だということも忘れて

 私はホームシックになった。


 あの頃が楽しかった・・・

 後ろ向きにしかいろんなことを考えられなくなったまま

 私は、夏休みになると

 ものすごい速さで荷物をまとめ、

 あの町へ戻った。



 今 思うと

 あの人に出会うためだったのかもしれないけれど・・・。
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