弱気な俺の恋
30分後


「おまたせ!!」

「何食べる?」

「昼にガッツリしちゃったから、軽いの」

「…どれ?」

「軽いの!」

「選べよ!」

「奏汰、選んで!今日、疲れたから
見えにくいの!適当でいいから!」

言われないと、忘れてしまう

結は、目が悪いんだった

軽いのって、何だよ…

わからなくて、サンドウィッチを注文した

「ぶっ!!奏汰って面白いよね!」

「軽そうだろ?」

「持ち運びのことじゃないよ?」

「わかってるよ!!野菜サンド!!」

「はいはい」


ニコニコしながら、窓の外を見て


「あたし、寮に入ろっかな…
現実見たってのかな…
あたし、邪魔みたいなんだよね…
親とかにも言わなきゃだし…
来年、3月目途に別れようと思う…」

「婚約してるから、大変なのか」

「うん…自分の気持ちの整理が大変!」


困ったように笑う


それくらい、彼が好きなんだ


「バカだよねぇ」


運ばれてきた、野菜サンドを食べて


「今彼の前にね、事情があってさ
お互い好きじゃないのに、付き合っていた人がいて
好きになりかけたんだけど、友達がさ
その彼をずっと好きだったみたいで
身を引いたことがあるの
強烈なバカップルもいいとこでね
今でも、うまくいってるみたいなの
ノロケ聞いてると、身を引いてよかった
って、あたしまで幸せになるっていうか
だから…
きっと…
今回も、平気だと思う!!」


「結…泣く時は、俺が胸貸してやる!!
味方だからな!!」

「ありがとう!!心強いよ!!」

太陽みたいに笑う

結を凄いと尊敬する


彼の幸せをいつでも1番に考えて

我慢ばっかりして

愚痴のひとつも言えばいいのに


そんな結だから、好きになったのかな


だけど、1人で無理すんなよ






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