一瞬の風になれ
多分、躓いた表紙に打ったんじゃないかな…
陸上部なのに、足を大事にしなきゃ…
日陰でうつ伏せにさせた先輩の筋肉質な左足のジャージを膝まで捲った。
どうしてわかったのか、それはお母さんが看護師で、何となくあたしも血筋を頂いたから。
足首が少し赤く腫れ上がっていて、痛々しかった
ゆっくり丁寧にマッサージしていく。
お母さんがよくお父さんにやっていたように
「…小谷野さんは本当マッサージ上手いよね」
「ありがとうございます」
うつ伏せになった先輩の声が少しこもって聞こえた。
「絶対、俺と結婚しような」
「ハイハイ」