訳アリ店長に”恋”しちゃいました♡【番外編追加】

向かった先は、絢が泊まったであろうホテル。

この島には、民宿はいくつかあるけれど

絢が泊まりそうなホテルは、二軒しかない。


くそっ、こんな事ならどこに泊まるのか聞いておけばよかった。

連絡先も知らないし、確認しようがない。


車で、五分ほど島の東に向かって走ると美術館がある。

その奥に併設された、有名な会社が経営している真っ白なホテル。

そこは瀬戸内芸術祭が開催されるにあたって、最近出来たホテルだ。

プライドの高い彼女なら、きっとそこを選ぶだろう。



「やっぱり、そうそう教えてはくれないか」



ホテルに着き、フロントに掛け合ってみたけれど

宿泊客の情報は教えられないと門前払い。

田舎町だけれど、そういうところはきちんとしているなと感心しつつ

ダメもとで、もう一つのホテルに向かった。

しかし、そこでもやはり情報は何一つ得られず、時間が過ぎていくばかり。


もう、陽も傾きかけている。

何かあってからじゃ遅いし、どうする?

――どうすればいい?

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