君に二文字伝えるだけの簡単なこと


「おい、立木?」


何も言わない私を、心配してか、野々村は屈みながら様子を窺ってくる。

近くなった顔に、よりいっそう、心臓は大きく音をたてる。





「…三日前、告白されたってほんと?」


ようやく、口に出せたかと思うと、こんなことで。

あぁ、私のばか。




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