君に二文字伝えるだけの簡単なこと
「……告白、されたけど。」
私の問いに、数秒たって、答える野々村。
その表情を見るのは、こわくて、私は目を合わせられない。
私だって、野々村のこと。
素直にそう、伝えたいのに。
口から出たのは、想いとは逆の言葉。
「…そっか、よかったね。
可愛い子に告白されて。」
自分の言葉にズキッと心臓が痛む。
違う、こんなことが言いたいんじゃないの。
「そんなこと、言うためにわざわざ呼び出したのかよ。」
ため息と同時に呟かれた言葉に、胸が、締め付けられる。