あなたにあたしの何がわかるの
「はぁ……」
私は、頬杖をついて、窓の外を見ていた。
入学式にも来ていない私は、桜がこの学校に咲いたところを見ていなかった。
「ねえ!」
ふと声をかけられた。
「ずっと休んでた子?」
見ると髪の毛は茶色くてくるくると綺麗に巻かれていて、化粧もいい感じにしていて、
高校生って感じの子が立っていた。
なぜか、目はとてもキラキラしていた。
「そう」
「名前なんていうの?」
「佐伯由美香」
「由美香ちゃん?よろしくね!」
別に私はよろしくしたくない。
それに、もう人と関わりたくない。
仲良くしたくない。
「うん!」
私は、とりあえず笑顔で返したが、
よろしくは言わなかった。