神様、どうかこの人達に幸福を


チェスターノに入ったその直後、突然なにかが宙を切る

何かの動物か、何かの罠か

そう、思っていた


「?」



そして次の瞬間。




『ブシャァァァ』



目の前の護衛の方々の首が消えた



「ッ...!」


一瞬にして状況を理解するのには時間は掛かった


護衛が全て倒されて

その護衛の首から血が噴き出し頭は私の足元に転がっている



徐々に赤い色が広がり

鉄の匂いがし始めた




私が死を目にしたのは初めてじゃない

何度も見た事がある




しかし、生首が飛ぶと言うのはとてもいい光景ではない

その、瞬間

私に途轍もない吐き気が襲った




護衛達を殺した人物を確認するために前を見ると




そこには

まるで死をなんとも思わないように



「血が付いちまった...でも...ハハハ...この感覚、たまらない...!」



嗤いながら立っている、探偵服の少女がいた




その少女は、刃先が付いてる鞭?を持っていた


その姿を呆然と見ていると

少女と目が合ってしまう


「調教するのに丁度いいな...」


一瞬考える素振りを見せると

何かをボソリと呟いた

私は、腰が抜けてしまいその少女をジッと見つめる事しか出来なかった



ゆらり、ゆらりと口元に怪しい笑みを浮かべながら近づいてくる少女


あぁ...私は、死ぬんだ


そう、死を覚悟した直後

後ろに鈍い痛みを感じ、私は気を失った
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