最高の恋の見つけ方
帰り道、私たちは、とても静かに、並んで歩いた。


たまに、見つめあって、お互いの気持ちを量りあった。


私たちはあまりにも長いこと一緒にいたから、今日が本当に最後になるんだと、何度自分に言い聞かせても、どこか現実味がなくて。


葵くんは、たまに、何かを言おうとするんだけど、また黙る。



不機嫌な顔をしてみたり、私を優しく眺めたりする。



電車に乗って、駅で降りて、あっという間に、近所まで、着いてしまった。



いつも、純と待ち合わせる場所に、いつもの純の銀のアウディが停まっていた。


葵くんの顔がこわばった。


私も、心臓が破裂するかと思うくらい、びっくりして、車からでてくる純を見ていた。


いい感じに着古されたデニムに、白のインナーと、プレッピーな雰囲気の灰色のカーディガン。



いつも非の打ちどころがない、お洒落な人。顔は芸能人ばりに綺麗で、でもツンデレで、可愛いところもある、私の恋人。


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