最高の恋の見つけ方
「絵里は、別れるってどういうことか分かってて、俺と別れたいって思ったの?」


「別れ、たくないよ、やっぱり」


「だめだよ、浮気したんだから、もう終わりだよ」


長いこと、無言でお互いを見た。つい昨日まで、双子の片割れみたいに近かった葵くんが、とても遠い。



葵くんの涙は、とてもきれいで、私には、似合わないと思った。



「さようなら、絵里ちん」


沈黙を破った葵くん。




「本当に?」



「俺が絵里としゃべるのはこれが最後だから」



「え、」



「別れるっていうのは、現在にも未来にも、お互いが存在しないってことだよ」



「過去だけ、でもそれも忘れる」




「私のこと、忘れられるの?」



「だから、それが別れるってことだから」
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