最高の恋の見つけ方


葵くんは息を切らせながら、私の目の前に立った。



葵くんの可愛らしい、くりくりした目は急に走ったせいか、輝きを増していた。


少し汗ばんだ額が、ここまでずっと走ってきたことを物語っている。



こげ茶色で、天然にやわらかくウェーブした髪が乱れている。



瞳の色と髪の色がまったく同じな葵くん。



こんな時でもとてもチャーミングに見える。




「絵里ちん」



葵くんだけが、子供のときから、私を呼ぶ名前。



「やっぱり、もう一度、告白させて」



首を横に振る私を遮る葵くん。



「最後だから」


葵くんの瞳から、一滴の涙が零れ落ちる。








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