ありふれた恋でいいから
「もう…俺には須藤と一緒にいる資格が無いんだ」

本当にごめん、と。
最後に呻くように吐き出して。


背中を向け歩き出した畑野くんが、もう一度振り返ることは、なかった。








鉛色の雲の下。


遠くで聞こえ始めた春雷がやがて、雨を呼んで。

涙で濡れた頬に重なり流れる雨の粒が。

―――酷く、冷たく感じた。










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