ありふれた恋でいいから
建築関係の仕事に就きたい畑野くんと、図書館司書になりたい私。

全く違う職種を目指していた私たちだったけど、志望する大学は偶然にも一緒だった。

ただ、彼の行きたい学部は少し偏差値が高めで合格圏内を維持するにはもう少し努力が必要で。
私はと言えば全く持って数学が苦手だったから、センター試験が必須のその大学は決して楽観できるレベルじゃなかった。

高校時代、どんなに頑張っても卒業までの半年しか一緒にいられない訳だし。
彼氏彼女が出来て成績が落ちたなんて言われるのは絶対にイヤだったから。
努力して叶うことなら同じ大学に行きたい。
これからも同じ季節を過ごすために頑張ってみようって。
一緒にいたいと思った私たちは、迷うことなくそう決めたんだ。
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