ありふれた恋でいいから
けれどもう、携帯も繋がらない。

こんな夜遅く、尋ねて行けるほど非常識な感覚も持ち合わせていない。
どんなに探しあぐねても、今、須藤と俺を繋ぐものはもう何処にもなくて。
残ったのは全てが嘘だったという真実。
例えそれが真実でももう元には戻れないという辛過ぎる現実。

……俺は。

俺はどうしてあの時気付けなかったんだろう。

自分の欲求を見透かされたことに激しく動揺して吉田の嘘を見抜けなかったなんて。

そして何より、吉田との間に起きた事が、須藤への欲求の所為だと繋げてしまった自分自身の弱さに絶望する。

あの時、須藤は信じてくれていた。
俺なんかよりも、俺のことを信じてくれていたんだ。

それなのに俺は自分を信じ切れなくて、信じてくれた須藤を傷付けた。
叶えかけていた須藤の夢を、奪った。

ーーー結局は俺こそが、加害者じゃないか。

それなのに吉田の嘘に翻弄された被害者面している自分が……許せない。

元気でいて欲しいとか、笑っていて欲しいとか、もう俺は彼女の幸せを祈れる立場じゃないんだ。

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