龍華寺 四葉と書いて、救世主と読め。

二人は大親友?







「遥加ちゃん、照明の方大丈夫?」

「うん……OK、大丈夫だよ。ナゴミちゃんも舞台装置の作動確認終わった?」

「バッチリ。後はスイッチ押して回すだけだね」

とうとう学芸会当日になった。

学芸会と言っても、生徒だけで行われる簡単で小さな催し物。

中等部と高等部を交えて行われる学校祭の方が賑わう上、初等部の数クラスしか出ないから、体育館もあまり人がいない。

その為真面目に練習する必要が無いのと、ナゴミは裏方へ回っていて出番が無いのと、リンと遥加の件が気になったのとで忘れかけていた。

でも手は抜かず、セットに欠損が無いかちゃんと確認する。

「そう言えば、四葉ちゃんは?」

照明係の遥加は、周りを見回した。

あの長すぎるツインテールの美少女を見失う方が難しいと思うが、確かに四葉がいない。

「この後すぐ出番だから、もうステージの方に回ってるかも……?」

「あ、そっか」

遥加が照明を暗くし、真っ暗になったところでナゴミは舞台セットを男子と協力してテキパキと組み立てた。

幕が上がり、劇が始まった。
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